現在、スカジャンブランドの中でダントツ一番の人気を誇るテーラー東洋。実はその歴史は古く伝統も兼ね備えたブランドなんです。
スカジャンを作ったブランド「テーラー東洋」とは?
横須賀に駐留したアメリカ兵が、記念に自分の持ち物に刺繍をしてもらったのが起源と言われている「スカジャン」。
このあくまでオーダー刺繍が主流だったものを、当時からアメリカ兵に人気のあったベースボールジャンパーへ刺繍を施した既製品として最初に売り出したのがテーラー東洋と言われています。
前身は三菱財閥解体によって出来た繊維商社
東洋エンタープライズの前身「港商(Kosho & Co.)」は、1940年代に三菱財閥解体後のGHQ政策によって発足した繊維商社。
ベースボールジャンパーへ刺繍をしたジャンパーの販売をはじめ大ヒット。米軍基地内の売店(PX) にて販売されるようになり、1950年代には港商が当時のスカジャン納入シェアの95%を占めるまでになりました。
東洋エンタープライズ設立と米軍向け製造
1950年代後半になると沖縄返還前の米軍需要が続き、港商の主要メンバーであった小林進(こばやし・すすむ)がこれに呼応して1965年11月に東洋エンタープライズ株式会社を設立
米軍基地内向けの衣料製造を主目的とし、PXから依頼を受けてジーンズやフライトジャケットの製作を手がけました。
ベトナム戦争の拡大で需要が高まる中、東洋エンタープライズは米軍サープラス品の国内流通も担い、1960~70年代の東洋エンタープライズは、日本で製造した米軍向け衣料(ジーンズやミリタリーウエアなど)で着実に事業を拡大していきました。
米軍向けの経歴を活かし、国内向けアメカジブランドを多数設立
ベトナム戦争終結(1975年)を契機に東洋エンタープライズは米軍向け生産を縮小し、日本国内向け衣料のメーカーへと転身します。
当時駐留していた米軍将校から命名された「suger cane」ブランドのもと、アメリカンワークウエア(ジーンズやカバーオール)の生産を強化、また、1960~70年代には「SUN SURF」ブランドでレーヨン製アロハシャツを復刻・輸出するなど事業を拡大しました
1980年代後半から90年代にかけては国内のヴィンテージブームに応え、当時まだ本格的な復刻が少なかったWW2期のフライトジャケット(TYPE B-15 など)を発売し、人気を博しました。そして1993年にはミリタリーウェア専門ブランド「バズリクソンズ(Buzz Rickson’s)」を立ち上げ、A-2やMA-1などの復刻を行っています
この間もスカジャン制作は途絶えることなく続き、Tailor Toyo(テーラー東洋)の名義で細々とリバイバルモデルを発表していました。特にコアなアメカジ好きやコレクターの間では、Tailor Toyoのスカジャンは「ヴィンテージスカジャンの正統な復刻」として知られる存在でした

最初期からスカジャンを作っていたため、ヴィンテージ図案の型紙を所有してる。
製品の特徴
テーラー東洋製のスカジャンを見ていると、たまに使われている用語について解説します。
港商 SPECIAL EDITION
”港商 SPECIAL EDITION”は東洋エンタープライズの前身である「港商商会」が1950年代初期に制作していたスーベニアジャケットを、素材からファスナーなどの付属品まで、当時そのままに再現したスペシャルアイテムです。そのため、タグにも1950年代初期の作りのため非常にデリケートであることを記した注意書きも。
また、初期のスカジャンの製造を支えた刺繍の町「桐生」では現在でも、当時を知る刺繍職人が技術を継承すべく活躍しており、港商 SPECIAL EDITIONのスカジャンは、1950年代当時からスーベニアジャケットの刺繍を手がけてきた職人が針足や運針などを監修し、製品化されています
テーラー東洋の中でも人気のラインとなります。

M品番とは?
テーラー東洋のヴィンテージ復刻のなかでも比較的古いモデルのことで、タグの品番が「M」から始まるものです。(現在はTT)
現在は入手が困難になっているような刺繍のものは高価格で取引されたりするそうです。
公式で何年〜何年のものがM品番などという記載は見つからず、一般の方の回答などをみつから〜2000年のモデルと推測されます。
また、素材としてポリエステルのものなどが多く、現在のレーヨンのほうがよりヴィンテージ感はあるとの声も見受けられました。
M品番についての詳細は謎が多いですが、ミルウォーキーさんという洋服屋さんがとても古くからテーラー東洋のスカジャンの販売をしており、過去のライミンナップや型番をみることが出来ます。除いてみると面白いかも
最後に
いかがだったでしょうか?現在、様々なブランドがスカジャンを発表する際、かなりの割合で製造はテーラー東洋が行っています。
そこからもわかるよう、クオリティの高いスカジャンやヴィンテージ復刻スカジャンに関してはテーラー東洋はもっとも信頼のおけるブランドと言えるでしょう。
是非一着買ってみてはいかがでしょう?

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