フリマやヴィンテージショップで「GUAM」の文字入りスカジャンを見かけたことはありますか?
横須賀・沖縄柄と比べて現存数が圧倒的に少なく、スカジャンコレクターの間では「見つけたらまず確保」と言われる存在です。この記事では、グアム柄スカジャン固有の図案の構成・素材・希少性の理由を解説します。
グアム柄スカジャンがPX販売品である理由
グアム柄スカジャンの出自は明確です。グアム島のアンダーセン空軍基地・アプラ海軍基地から日本の工場へ製作依頼が入り、完成品がグアム基地内のPXで販売されました。
横須賀や沖縄のように「基地の外でも流通した」ものとは異なり、グアム柄はグアムのPXという限定された販路でのみ流通していました。これが現存数の少なさに直結しています。製造・販売された年代は1950年代中期〜後期が中心です。

グアム柄スカジャンの定番図案:3つのモチーフ
グアム柄スカジャンの図案は、ほぼ一貫した構成になっています。
① グアム島の地図刺繍
背面のメインモチーフです。島のシルエットだけでなく、主要都市(アガニャ=現ハガニャ)や米軍基地の所在地名まで細かく刺繍されているのが特徴です。
「自分がいた場所」を記録するという軍人的な記念の意味合いが強く、地図の精度へのこだわりが見て取れます。「GUAM」の文字が大きく入り、島を囲む青系の刺繍糸が太平洋の広がりを表現しています。

② ヤシの木とパイナップル
地図と組み合わせて描かれる南国モチーフです。ハワイ柄のハイビスカスとは異なり、ヤシの木+パイナップルの組み合わせがグアム柄の定番です。
横振り刺繍でリアルに表現されたヤシの葉は、当時の職人技術の見どころのひとつ。なかにはトロピカルフルーツや熱帯魚を加えた豪華な構成の個体も存在します。

③ リバーシブル面のヨットと海
多くのグアム柄スカジャンはリバーシブル仕様で、裏面には波間を走るヨットとカラフルな雲が描かれています。裏地はアセテート素材の青系が多く、常夏の海の雰囲気を演出。表の地図柄とは対照的な、穏やかなデザインです。

素材の特徴
| 部位 | 素材 |
|---|---|
| 表地 | 別珍(ベルベット調)黒地が多い |
| 裏地 | アセテート、青系 |
| リブ | ミントグリーン・クリーム系 |
別珍×アセテートのリバーシブル構造は、当時のグレードの高さを示しています。別珍は湿気に弱く経年劣化しやすいため、70年近い歳月を経た現在、状態の良い個体はさらに希少です。

グアム柄ヴィンテージスカジャンが希少な3つの理由
① 流通量が絶対的に少ない
グアム島の米軍規模は本土の大型基地より小さく、製作・販売数そのものが少なかったとみられます。
② 別珍素材の劣化
湿気に弱い別珍は保存が難しく、状態の良い個体が残りにくい素材です。
③ グアムという地理的特殊性
日本本土でも沖縄でもない「グアム経由」という流通ルートのため、日本国内のコレクター市場に出回りにくかった。
まとめ
グアム柄スカジャンは、PXという限定流通・別珍素材の劣化・地理的特殊性が重なった結果、現在では非常に入手困難な一枚です。
地図・ヤシの木・リバーシブルのヨット柄という3層の図案構成を押さえておけば、ヴィンテージショップやオークションで本物を見極める目安になります。
現行品で南国柄を探している方はこちらも参考にどうぞ。
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