グアム柄スカジャンの図案と希少性を解説

グアム柄スカジャン 背面の地図刺繍とGUAMの文字

フリマやヴィンテージショップで「GUAM」の文字入りスカジャンを見かけたことはありますか?

横須賀・沖縄柄と比べて現存数が圧倒的に少なく、スカジャンコレクターの間では「見つけたらまず確保」と言われる存在です。この記事では、グアム柄スカジャン固有の図案の構成・素材・希少性の理由を解説します。

目次

グアム柄スカジャンがPX販売品である理由

グアム柄スカジャンの出自は明確です。グアム島のアンダーセン空軍基地・アプラ海軍基地から日本の工場へ製作依頼が入り、完成品がグアム基地内のPXで販売されました。

横須賀や沖縄のように「基地の外でも流通した」ものとは異なり、グアム柄はグアムのPXという限定された販路でのみ流通していました。これが現存数の少なさに直結しています。製造・販売された年代は1950年代中期〜後期が中心です。

グアム柄ヴィンテージスカジャン 全体像
▲ 1950年代のグアム柄スカジャン。黒の別珍にミントグリーンのリブが特徴。(出典:Vintage Souvenir Jacket Museum

グアム柄スカジャンの定番図案:3つのモチーフ

グアム柄スカジャンの図案は、ほぼ一貫した構成になっています。

① グアム島の地図刺繍

背面のメインモチーフです。島のシルエットだけでなく、主要都市(アガニャ=現ハガニャ)や米軍基地の所在地名まで細かく刺繍されているのが特徴です。

「自分がいた場所」を記録するという軍人的な記念の意味合いが強く、地図の精度へのこだわりが見て取れます。「GUAM」の文字が大きく入り、島を囲む青系の刺繍糸が太平洋の広がりを表現しています。

グアム柄スカジャン 背面の地図刺繍
▲ 背面のグアム島地図刺繍。都市名・基地名が細かく刺繍されている。(出典:Vintage Souvenir Jacket Museum

② ヤシの木とパイナップル

地図と組み合わせて描かれる南国モチーフです。ハワイ柄のハイビスカスとは異なり、ヤシの木+パイナップルの組み合わせがグアム柄の定番です。

横振り刺繍でリアルに表現されたヤシの葉は、当時の職人技術の見どころのひとつ。なかにはトロピカルフルーツや熱帯魚を加えた豪華な構成の個体も存在します。

グアム柄スカジャン ヤシの木とパイナップルの刺繍
▲ ヤシの木・パイナップルの刺繍。グアム柄の定番モチーフ。(出典:Vintage Souvenir Jacket Museum

③ リバーシブル面のヨットと海

多くのグアム柄スカジャンはリバーシブル仕様で、裏面には波間を走るヨットとカラフルな雲が描かれています。裏地はアセテート素材の青系が多く、常夏の海の雰囲気を演出。表の地図柄とは対照的な、穏やかなデザインです。

グアム柄スカジャン リバーシブル面のヨット柄
▲ リバーシブル面。ヨットと雲が青系アセテートに映える。(出典:Vintage Souvenir Jacket Museum

素材の特徴

部位素材
表地別珍(ベルベット調)黒地が多い
裏地アセテート、青系
リブミントグリーン・クリーム系

別珍×アセテートのリバーシブル構造は、当時のグレードの高さを示しています。別珍は湿気に弱く経年劣化しやすいため、70年近い歳月を経た現在、状態の良い個体はさらに希少です。

グアム柄ヴィンテージスカジャン 別珍素材の質感
▲ 別珍(ベルベット調)素材のボディ。50年代ならではの質感。(出典:ヴィンテージ古着屋Feeet

グアム柄ヴィンテージスカジャンが希少な3つの理由

① 流通量が絶対的に少ない
グアム島の米軍規模は本土の大型基地より小さく、製作・販売数そのものが少なかったとみられます。

② 別珍素材の劣化
湿気に弱い別珍は保存が難しく、状態の良い個体が残りにくい素材です。

③ グアムという地理的特殊性
日本本土でも沖縄でもない「グアム経由」という流通ルートのため、日本国内のコレクター市場に出回りにくかった。

まとめ

グアム柄スカジャンは、PXという限定流通・別珍素材の劣化・地理的特殊性が重なった結果、現在では非常に入手困難な一枚です。

地図・ヤシの木・リバーシブルのヨット柄という3層の図案構成を押さえておけば、ヴィンテージショップやオークションで本物を見極める目安になります。

現行品で南国柄を探している方はこちらも参考にどうぞ。

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